2021年4月の香ディネート

香ディネート(コーディネート) 。

その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、 さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。 暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。

心踊る春
新しい香りの楽しみ方を

第3弾は「この春始める新しい香りの楽しみ方」をテーマに、お香と香炉をご紹介いたします。
春。入学や就職など、新しい生活を始める方も、そんな人たちを迎える立場の方も、新しい空気にどこか心躍るもの。
この春から、何か新しいことを始めようと思っているみなさまに、ぜひおすすめしたい香りの楽しみ方があります。

お香に直接火をつけるのではなく、炭火の熱で間接的にあたためて香りを楽しむお香のセット『季の香』と、初めての方にも気軽に楽しんでいただける『ひいな香炉』の「香ディネート」です。


まずは炭に火をつけて
心落ち着かせて香炉の準備を


用意するものは『みやこ炭 A』『ひいな香炉』『季の香』と、ライターなどの着火器具。
まずは『みやこ炭 A』をひとつ取り出し、ライターなどで火をつけます。 ふだん炭を扱わない方も着火しやすいようつくられていますのでご安心ください。 角をあぶるように火を当て、炭の一辺が白くなってきたらライターの火を消し、そのまま燃え進むまで待ってみてください。
焦らず、心を落ち着かせながら、炭がおこるのを待ちましょう。


『ひいな香炉』の燃焼網を外し、中央の金具に炭をセットします。金具は『みやこ炭 A』と同じ形に加工してあります。 火をつけた部分を下にして、金具に炭をはめるように置いてください。
燃焼網を乗せたら、香炉の準備は完了です。

今日はどの香りにしましょうか
選ぶ時間も楽しんで


『季の香』には四季をテーマとして、間接的に温めて香るお香4種類を詰め合わせています。
印香・白檀・沈香・練香。季節にとらわれず、時間や場所、今日の気分に合わせてお香を選んでください。 今回はこのうち沈香の香りを紹介します。

静かに広がる幽玄な香り
お香の歴史に思いを馳せて



お香を燃焼網に乗せる際は、「火あい」(炭とお香の距離)にも気を配ることが大切です。
炭と近づけるほど香りも強くはっきり感じられますが、近すぎると焦げてしまいます。
炭と離すほど香りはほのかに長く楽しめますが、離しすぎると熱が加わらず香りを楽しめません。
お好みで楽しめる距離感を見つけるのも、醍醐味の一つです。

4月18日は
「お香の日」



4月18日は「お香の日」です。
595年4月に淡路島に沈香が漂着したと『日本書紀』に記録されていることにもとづき4月を、 また「香」の字を「一十八日」と読み、あわせて4月18日が「お香の日」として制定されました。

水にも沈むことから「沈水香木」と呼ばれる沈香は、木質部分に樹脂が長い年月をかけて凝結する過程でできた香木です。 雄大な自然と長い時間が作り出した香りは、思わず身を委ねたくなるような、深く静かな空気を演出してくれます。
家族で香りを囲みながら焚いてみたり、一人でゆっくり香りをかんじてみたり、どんな時間にも自然と馴染みます。
お香の歴史が始まった遥か彼方に思いを馳せながら、香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。