2021年10月の香ディネート

「香ディネート(コーディネート)」 。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。 暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。


更けゆく秋の長い夜
静かに流れる時間を楽しんで

今月は「静けさを楽しむ香ディネート」をテーマに、お香と香皿をご紹介いたします。
10月、いっそう日が短くなり、風に冷たさを感じる季節です。
秋の夜長を、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

音楽や映画鑑賞、お料理や読書など、おうちでゆっくり趣味を楽しむことができるこの時期。
静かに自分の時間を過ごすあなたに、おすすめしたい香りをチョイスしました。

秋の山里をイメージした香り『源氏かおり抄 夕霧 山里』と、お香を寝かせてたく『インセンストレイ takuba 9cm』の「香ディネート」です。


香りで綴る五十四帖
香りの長編「源氏かおり抄」シリーズ


「源氏かおり抄」は、『源氏物語』の各帖にちなんだお線香や匂い袋、香炉などの商品シリーズです。

『源氏物語』といえば、平安時代に紫式部によって創作された長編物語。
当時の貴族たちの生活や文化を垣間見る貴重な史料でもあります。
もちろんその中には、さまざまなシチュエーションでお香も登場しています。

そんな『源氏物語』の各帖を主題とし、それぞれの登場人物や情景、物語のイメージを、
さまざまな香りやお香の形状、デザインなどで表現したのが「源氏かおり抄」シリーズです。

『源氏物語』が好きな方や、この秋読み始める方はもちろん、
国語の古文の授業で少し触れただけ……という方も、
ぜひ私たちが香りで表現する『源氏物語』、その美の世界に触れてみてください。


静けさをたたえる秋の山里
菊花のような落ち着いた香り


『源氏かおり抄 夕霧 山里』は、五十四帖の三十九「夕霧」を主題にして制作した商品です。

  山里のあはれを添ふる夕霧に たち出でむ空もなき心地して

都はずれの山里・小野で静養する落葉の宮を訪ねた夕霧は、
かねて想いを寄せていた落葉の宮に、それとなく愛を告白しますが、
その態度はつれないものでした。

しんとした静けさをたたえる秋。
小野の山里の情緒を、菊花にも似た落ち着いた香りで表現しました。



「夕霧」の情景が描かれたカバーを外せば、
文のように玉紐で結んだパッケージがあらわれます。



物語を紐解くように紐をほどき、スライドさせることでお香を取り出すことができます。
スティックタイプのお香が20本と、簡易香立もセットになっています。


お香を寝かせてたくtakuba
場所を取らず、シンプルに楽しむ


お香を寝かせて使える『インセンストレイ takuba 9cm』なら灰も散らず、
最後まできれいにたくことができます。
場所も取らないので、ちょっとしたスペースでシンプルにお楽しみいただけます。
また、独自に開発したセラミックフェルトが使用後のヤニの匂いも抑えてくれます。


本を読んだり、お気に入りの音楽を聴いたり、一日を振り返って日記を書いたり。
秋の夜長に、自分だけの時間を静かに楽しみながら、
お手元で『takuba』と『源氏かおり抄 夕霧 山里』を使ってみてはいかがでしょうか。

もの寂しさを増すように霧が立ち込める山里を、
生真面目な夕霧が、堪えきれない恋心を胸に、姫のもとへ通う姿を思いつつ、
静かに漂うほろ苦い香りに、秋の風情を重ねてお楽しみください。