松栄堂では、昭和60（1985）年より、香りに関するエッセイの公募コンテスト「香・大賞」を主催しています。
”香り”をテーマにしたエッセイコンテストは国内唯一で、今年、おかげさまで36回目を迎えました。

今回ご紹介する『かおり風景　全3巻』は「香・大賞」が30周年を迎えた記念に、 これまでの受賞作品と審査委員各氏（藤本義一氏、中田浩二氏、鷲田清一氏）のエッセイを、3冊の書籍にまとめた商品です。
香りの記憶をつづった436編から匂い立つ436の人生は、日本の30年間のあゆみを生き生きと証言しています。

受賞作として毎年厳選され、この本に掲載された800字の物語たちには、 日常の小さな喜びから、その人の人生を変えるような大きな出来事まで、それぞれの風景にそれぞれの「香り」が漂っています。

人の数だけ、その人にとっての忘れられない香りがあるのだと、そして自分にとっても、忘れられない香りがあったのだと、ひとつひとつ読んでいるうちに、あなたにも思い出させてくれるはずです。

様々な人生に寄り添ってきた香りのエッセイを読みながら、お気に入りの香りはもちろんですが、いつも自分では選ばない、様々な香りのお香を焚いてみてはいかがでしょう。

彩り豊かな『薫路アソート』は、そんな読書の時間にぴったりです。

花圃、雪柳、草奏、想月、宵詩。
調合師が様々な情景を想像してつくった香りは、まるで作品に登場する十人十色の物語のよう。
華やかさ、清らかさ、さわやかさ、静けさ、渋さや苦さ、奥深さなど、人生の側面を垣間見る時におすすめしたい5種の香りです。

こんな香りがあったんだ。意外と癖になる。そんな出会いがあったなら、新しいお気に入りとして、「いつもの香り」の仲間に入れてくださいね。