10月の香ディネート
「香ディネート(コーディネート) 」。 その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、 さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。 暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。
壮大な歴史とロマンを秘めた「シルクロード」は
香りの道「インセンスロード」でもありました
すっかり秋めいて、お出かけしやすい季節になりました。
食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋……皆さま今年の秋はどのように過ごされますか。
毎年秋になると、古都奈良では「正倉院展」が開催されていますね。
正倉院はシルクロードの終着点といわれ、実はお香とも結びつきがあるのをご存知でしょうか。
お香・香立で彩る「西方はるか異国を思う香ディネート」をご紹介します。
シルクロードの終着点、正倉院
異国の文化に華やぐ都の息吹
正倉院が今に伝える多くの宝物の中には、中国・ペルシア・インドなどから、シルクロードを通じて日本にもたらされた文化が多くみられます。
ユーラシア大陸を東西に走る交易路、シルクロード。
その名にある絹の他にも、お香の原料となる香料やお香の文化が含まれていたのです。
1988年に開催された「なら・シルクロード博覧会」をご存知でしょうか。
「民族の英知とロマン」をメインテーマに、さまざまな民族の文化・歴史・技術・くらしなどが紹介された文化博覧会です。
この博覧会への松栄堂出展を記念して「インセンスロード」シリーズが誕生しました。
伝統的な和洋の香りに唐草文様
やさしい風合いの香皿がくらしにとけ込みます
現在販売している「インセンスロード」シリーズは、南山・南州・南都。
それぞれシルクロードを主題につくられた、趣の異なる3種の香りです。
「南都」は、平城の都で編み出された伝統的な和洋の香りで、異国の文化に華やぐ都の息吹を表現しました。
落ち着いた静かな香りの奥に、甘さと苦味が絶妙なバランスでマッチした香りが広がります。
そこに唐草文様の香立を添えて。
この唐草も古代アラビア地域で生まれ、シルクロードを経て唐、そして日本に伝わった文様のひとつといわれています。
やさしい風合いの黄瀬戸の香皿とあわせれば、すっと暮らしにとけ込みます。
シルクロードを渡ってやってきたエキゾチックな文化たちに、平城の都の人々は驚き、憧れ、胸おどらせたのではないでしょうか。
「正倉院展」で今も見ることができる貴重な宝物たちとともに、香りでも西方はるか異国に思いを馳せてみませんか。
秋の夜長にもぴったりな香ディネートをお届けします。