4月の香ディネート
「香ディネート(コーディネート) 」。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。
暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。
新年度のはじまりに
香木の繊細な香りを静かに鑑賞してみませんか
入学や異動、引っ越しなど、なにかと変化の多い4月。
新年度にあわせて「何かはじめてみよう」と考えられている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「源氏かおり抄 雲隠(くもがくれ)」で、お香の日におうちではじめる聞香(もんこう)の「香ディネート」をご紹介します。
4月18日は「お香の日」
日本におけるお香の歴史の幕開けにちなんで
日本でもっとも古いお香に関する記述は『日本書紀』。
「推古天皇3年(595年)4月。ひと抱えもある大きな沈水香木(沈香)が淡路島に漂着し、島人がそれと知らずにかまどに入れて薪とともに燃やしたところ、その煙が遠くまで薫り、これを不思議なこととしてこの木を朝廷に献上した」と記されています。
また「香」の字を分解すると「一」「十」「八」「日」と読むことができます。
それらをあわせた4月18日が「お香の日」として、日本薫物線香工業会によって制定されました。
聞香ひと揃い桐箱入セットで
聞香をはじめてみよう!
「お香の日」にちなんで、沈香の香りを味わってみませんか。
沈香のたき方には2種類あります。
お部屋に広く香りを漂わせる「空薫(そらだき)」と、掌中の小さな空間に立ち上る香りを静かに鑑賞する「聞香」。
空薫には沈香だけでなくお線香や練香などいろいろなお香が用いられ、聞香には小さく割った沈香を用います。
いざ「聞香をはじめてみよう!」と思っても、聞香炉(ききごうろ)や香炭団(こうたどん)・火道具・銀葉(ぎんよう)など、一から揃えるのは大変かもしれません。
聞香に必要な道具・聞香に適したサイズに整えた香木3種を桐箱に収めたセット「源氏かおり抄 雲隠」はいかがでしょうか。
てのひらサイズの小さな香炉
淡く緑がかった美しい青磁を味わって
聞香炉は、筒型のてのひらサイズの小さな香炉。
「源氏かおり抄 雲隠」のために誂えた聞香炉は、幾重にも施された千段彫が淡く緑がかった青磁の表情を引き出しています。
その中に灰を入れて熾した香炭団をうずめ、灰を山形に整え火窓(ひまど)と呼ばれる小さな穴をあけます。
山形の灰の上に、香炭団から伝わる熱の隔てとして、薄い雲母の板である銀葉(ぎんよう)をのせ、その上に沈香をのせます。
温められた沈香から立ち上る繊細な香りを逃さないように、てのひらで香炉を覆うように持って鼻を近づけて香りをお楽しみください。
銀葉がずれることがあるので香炉は水平に持ち、息を吐くときは灰が舞うことがないよう香炉から顔を離してくださいね。
松栄堂公式YouTubeでは、聞香の手順を動画で詳しく解説していますので、はじめての方も迷うことなくお楽しみいただけます。
てのひらの香炉から立ち上る幽玄の香り
環境の変化の多い春に ゆったりとしたひとときを
春の陽気、季節や年度の変わり目に緊張の日々のなかで、あえて時間をかけて炭団をおこし、灰を整え、沈香の繊細な香りをじっくりと味わってみませんか。
ほっと心やすまる時間になったり、清々しい気持ちになってまた頑張れたり……。
あなたの新生活にそっと寄り添う香りの楽しみ方をお届けします。