2月の香ディネート

「香ディネート(コーディネート) 」。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。
暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。

ほのかな月あかりに香る梅
早春のひとときを切り取ったような情景

いちはやく春の訪れを告げる花、梅。
京都ではまだまだ底冷えする日々が続いていますが、一輪また一輪と梅が咲くごとに柔らかな香りが漂い、季節も一歩ずつゆっくりと進んでゆきます。
梅には、寒さに耐えて他の花に先駆けて咲くその姿から「高潔」「忍耐」といった花言葉がつけられています。
もう少しだけこの寒さをじっと辛抱しながら、心清らかに香りを楽しんでみませんか。
「薫路 想月（くんろ そうげつ）」「真鍮製 丸形香立」「長手香皿 黒」の春を告げる梅の香ディネートをお届けします。

春の夜の闇はあやなし 梅の花
色こそ見えね 香やはかくるる

『古今和歌集』春上で凡河内躬恒が詠んだとされる梅の花の歌。
あらゆるものを隠す闇夜のはずが、春の夜はどうにも道理に合わないことをする。
梅の花の色は見えないけれども、その芳しい香りは隠れていないではないか。

今から1200年以上前に詠まれた歌ですが、現代の私たちでも共感できますね。
そんな早春の情景を、香りと器で香ディネート。

旅先で過ごした豊かな時間を
香りとともに思い出すひととき

昨年秋に発売した甘く爽やかな花の香り「薫路 甘露（かんろ）」はお試しになりましたか。
薫路は、旅先で感じた空気・音・光・すごした時間を思い出す……日本の四季を表現したシリーズです。
新しい香りの登場により全6種類となった薫路シリーズより、今月、梅見月にぴったりな「想月」をご紹介します。

「薫路 想月」は、ほのかな月明かりに香る梅をイメージした、こくのある甘さと香木が調和した香りです。
香ばしさと奥行きのある甘さがバランス良く仕上がっています。

黒が際立つスタイリッシュな香皿に
月のように輝くまんまるな香立を浮かべて

「真鍮製 丸形香立」は重量感があり、品のある輝きが美しい香立です。
これまで松栄堂直営店舗のみの取り扱いでしたが、このたびウェブショップでもお求めいただけるようになりました。
どんな器にもあわせやすいシンプルなデザインがご好評をいただいています。

「長手香皿 黒」は、ふんわりと空気をまとったようなマットな質感がシックな雰囲気。
黒のほかにも白色をご用意しておりますので、インテリアにあわせてお選びいただけます。
また横の長さが約12cmと長いので、7cmのお香はもちろん、11cm（高級線香 祥薫シリーズ）のお香までたくことができます。

※11cmのお香をたく際は、折々の香立・銀製香立などの2つ穴タイプの小さい方の穴をお使いください。

冷たい空気の中に感じる命の喜び
香りが告げる春のおとずれ

厳しい寒さも、あともう少し。
「真鍮製 丸形香立」を月に「長手香皿 黒」を夜に見立て「薫路 想月」の香りを漂わせる……早春の情景をご自宅で。
はるか1200年昔の歌人に想いを馳せて、この早春のひとときを香りで楽しまれてはいかがでしょうか。