
2月の香ディネート
「香ディネート(コーディネート) 」。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。
暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。
冬、雪景色に趣を感じて

朝目覚めて窓の外をみてみると一面、真っ白な雪景色。
子供の頃は、キラキラ光る銀世界にワクワクした朝がありました。
大人になるにつれて、出かける服装だったり、交通手段はどう?など、つい目の前の現実が先にきて、今日は大変だ!などと考えてしまいます。
けれどふと立ちどまってみると、雪景色ってとても綺麗。
春の花、秋の月、そして冬の雪。
雪月花、せつげつか、またはせつげっかと読み、季節のうつろいを美しいと愛でて楽しむ、四季のある日本ならではの美意識を感じられる表現です。
特に冬、厳しい季節を乗り切りながら、それさえ美しいと感じることができる感性の豊かさは、古き時代より培われてきたものなのかもしれません。
今回は、冬の景色を楽しむ「雪の季節の香ディネート」。
雪に心躍らせた子供のころを思いだしながら、大人ならではの冬の楽しみ方をご提案いたします。
京都の景色を彩る雪
京都に降る雪は、一層美しく景観を彩り、訪れた人々に心に残るプレゼントとして思い出の景色を刻んでくれます。
今もかわらず、都の山々に降る雪。
白く染まる山の端は、いにしえの都に住まう人々の目にも美しく映ったことでしょう。
有明の月に照らされた真冬の恋模様

長編の源氏物語も最終章へと流れていく、宇治十帖の中の一場面。
雪深い真冬の宇治川に浮かぶ一艘の小舟に、ひっそりと身を寄せ合うのは高貴な皇子・匂宮と薄幸の姫君・浮舟。
見上げた空には有明の月が浮かんでいる……。
そんな場面をイメージした「源氏かおり抄 浮舟 有明」は、2人の心模様を託したお香2種と舟型香皿と櫂型香立のセットです。


源氏香之図があしらわれた箱を開けると、宇治川に浮かぶ小舟を思わせる香皿と香立、美しい紙筒に入った2種のお香が入っています。
宇治川を行き来する小舟をかたどった青白磁の香皿は、すがたの美しい櫂型の香立とセットでお使いいただけます。

■ 宮の香り(桃色のお香)
自信に満ち溢れた美しい男性、匂宮を思わせる華やかさと力強さ、そして上品なたおやかさも感じられる香りは、沈香の重厚感と深みを併せ持っています。

■ 姫の香り(紫色のお香)
揺れ動く女心と運命に翻弄される美しい姫、浮舟をイメージした気品あふれる香りは、しっかりとした香木の香りの奥に女性らしい柔らかな華やぎが感じられます。

赤の筒には姫〈浮舟〉の香り、黒の筒には宮〈匂宮〉の香りのお香が入っており、結んである金紐を解き、かぶせてある折り紙を開くと、
〈匂宮〉年経とも 変はらむものか橘の 小島のさきに契る心は
〈浮舟〉橘の小島の色はかはらじを この浮舟ぞ 行方知られぬ
と2人が詠み交わした歌がそれぞれに入っています。
変わらぬ心を誓う匂宮と、揺れる気持ちに戸惑う浮舟。
そんな2人をイメージした高貴な雰囲気を持つ2種の香りは、キリリと冷たい冬の空気によく似合います。


香りを気に入っていただけたなら、お香のみでもご用意がございます。
2種各10本入の「源氏かおり抄 浮舟 20本入」のパッケージには、明け方の宇治川、浮かぶ小舟にのった2人を有明の月が照らす様子が優美に描かれており、2種各50本入の「源氏かおり抄 浮舟 徳用」には2人が詠み交わした歌を添えています。
いずれも箱本体には「浮舟 有明」同様に源氏香之図があしらわれています。

いにしえの都で厳しい冬を過ごしながら描かれたであろう冬の情景は、現代を生きる私たちの心にも美しく響きます。
雪が降る日には2種の香りを焚きながら宇治十帖を読み返してみるのもいいですね。
暖をとる火鉢の炭の音、しんしんと降り積もる雪、そして冷え込んだ朝、空に浮かぶ儚く美しい有明の月。
冬、寒く厳しい季節だからこそ感じられる美しさに目を向けて、心豊かな時間をお過ごしください。













