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9月の香ディネート

「香ディネート」は、毎月さまざまな暮らしのシーンや季節に合わせて、おすすめの香りと器の組み合わせ(コーディネート)をご紹介する連載コラムです。
お気に入りの「香ディネート」で「香りある豊かな暮らし」をお楽しみください。

秋の空にたなびく思い
はるか西の彼方に祈りを


残暑厳しい日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
「暑さ寒さも……」という昔の人の言葉をたよりに、なんとかお彼岸まで乗り切っていきましょう。
日が傾けば虫の声が聞こえ始め、夕風の中に涼しさを感じるように、やがて季節は少しずつ巡っていきます。
陽が沈みゆく西の空を眺める、秋のお彼岸のひとときに。
今月は『源氏物語』の主人公、光源氏の祈りに見立てる「香ディネート」です。

お彼岸に上質な香りを
はるか彼方を想う、豊かなひととき


「秋のお彼岸」は秋分の日を中日とし、前後3日を合わせた7日間をさします。
西の彼方に浄土の世界があるとする「西方浄土」の考えから、太陽が真西に沈むこの時期は彼岸(あの世)に通じやすくなるとされ、この時期にご先祖さまを供養する風習が受け継がれてきました。

今年(令和8年)のお彼岸は9月20日(日)から1週間。
祝日を合わせるとカレンダーで5連休となるこの秋、みなさんはどんな予定を立てられていますか。
お墓やご実家のお仏壇に手を合わせ、「彼方」に想いを馳せる……。
もしそんな余裕がなかったとしても、お彼岸を意識しながら香りに包まれる時間を、ほんの少しつくってみてはいかがでしょうか。

悲しみの果て、空を仰いで
心を決める源氏の君


そんなお彼岸のひとときにもおすすめの香りが「源氏かおり抄 幻 無依」です。
源氏物語の世界を香りに乗せてお届けする「源氏かおり抄」シリーズより、第41帖「幻」に取材した商品です。

最愛の紫の上を喪い、悲しみに暮れる光源氏。
かねて楽しんでいた季節の行事も、すべては彼女を思い出させるばかり。
迎えた一周忌、源氏はついに出家を決心するのでした。

大空をかよふまぼろし夢にだに 見えこぬ魂(たま)の行方たづねよ

大空を自在に通うという幻術士(まぼろし)よ、夢にさえ現れてくれないあの人の魂を探しておくれ。

源氏が最愛の人を思い祈りを込めた和歌をテーマに、大切な人へ手向けるのにふさわしい香りをつくりました。



高級漢薬香料を用い、静かで馥郁とした香りに仕立てた「幻 無依」。
平安時代に貴族が使った「練香」のような、ほのかな甘さが漂います。

まっしろな心に紫ひとつ
「彼岸」が近づく今こそ願いを


「幻 無依」は長さ11cmのお線香。
1本あたりおよそ25分ほどの燃焼時間です。
もちろん灰をためた香炉に差していただいても良いですが、お香立を使う時は灰を受けられるよう、少し大きめの香皿を使用してください。
「長手香皿」なら、少し細長い「無依」も安心してご使用いただけます。



紫色の「つまみ香立 ひさご」を乗せて、紫の上に心を寄せる源氏に見立てた香ディネート。
「まぼろし」に願いを込めた源氏の思いも、あるいはこの時期なら西の空を通り、彼岸に届くかもしれません。



夏と秋が交差して季節がうつろいゆく9月。
「無依」の落ち着いた香りをお供に、どうぞ残暑や朝晩の気温差に気をつけてお過ごしください。

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