
7月の香ディネート
「香ディネート(コーディネート) 」。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。
暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。
涼やかな和の香りで
日本の夏を楽しむ豊かな暮らし
梅雨明けの暑さはひとしお。いよいよ本格的な夏の到来です。
音で涼を味わう風鈴、見た目にも涼やかな打ち水……日本には「涼をとる」という言葉があります。
こまめな水分補給やエアコンも大切ですが、涼やかな和の香りで暑さを和らげてみませんか。
上手に涼を取り入れて、日本の夏を楽しむ豊かな暮らしを。
このたびリニューアルして新発売となった「源氏かおり抄 夕顔」と、新柄「折々の香立 組子」「四方香皿 クリーム」で、健やかに夏を過ごす香ディネートをお届けします。
香りで楽しむ『源氏物語』
使いやすい20本入としてリニューアル

昨年『源氏物語』をテーマにした商品シリーズ「源氏かおり抄」の人気の香り5種が、手に取りやすいパッケージに装いを一新しました。
このたび「夕顔」の香りも、20本入として姿あらたに加わります。
夏の夜に咲く儚い花
夕顔の可憐な姿を白檀の香りに託して

甘い香りを漂わせながら、夏の静かな夜に映える純白の大きな花「夕顔」。
開花翌日にはしぼんでしまうその姿は『源氏物語』に登場する夕顔の儚さにも通ずるものがあります。

『源氏物語 第四帖 夕顔』
乳母のもとを訪れる途上で、塀に咲いた夕顔を見かけた源氏の君。
一輪もらい受けるよう命じると、可憐な女性が香をたきしめた古扇にのせて、童女にもたせて寄越します。
古扇には美しい文字で和歌がそえてありました。

心あてに それかとぞ見る白露の
光添へたる 夕顔の花
(もしかして、源氏の君ではないでしょうか。白露の光かがやく美しい夕顔の花は)
詫びた住まいに反して漂う気品に、源氏の君は興味を抱き歌を返します。
寄りてこそ それかとも見め たそかれに
ほのぼの見つる 花の夕顔
(近く寄って、はっきりご覧になったらどうですか。黄昏時にぼんやりと見えた夕顔の花を)
和歌を交わしたことから出会い、惹かれあっていく二人。
いまも京都には「源語伝説五条辺夕顔之墳」という石標が残されており、そこ一帯は夕顔町と呼ばれています。

そんな夕顔の可憐な姿を白檀に託しました。
たく前は透明感のある甘酸っぱさが際立つ愛らしい香りですが、たいてみるとしっとりと落ち着いた香りが広がります。
届いてすぐに楽しめる香りのセット
健やかに夏を過ごせる贈りもの

「組子」は、釘を使わずに細い木材を組み付けて文様を表現する、日本の伝統木工技術です。
組子にもよく用いられる「胡麻」の文様を、あざやかな緑色の香立にあしらいました。
角度によって輝きが変わる、組子特有の繊細な直線が清々しく、和洋を問わず老若男女どなた様も親しみやすいデザインです。
栄養価が高く、古くから長寿の薬として大切にされてきた胡麻の文様は、健康や長寿を願う吉祥文様の一つ。
暑さで体調を崩しやすいこの季節、お相手の健康を気遣う贈り物としてもおすすめです。


ご健勝とご多幸への祈り。
贈り主の人柄が感じられる夏の贈りものにいかがでしょうか。
お世話になった方に、大切な方に「香りで涼やかに心安らぐひととき」を。
暑さにまいりそうになる日々。京都から、香りで一服の清涼剤をお届けいたします。