「香ディネート(コーディネート) 」。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、 さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。
暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、 さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。
暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。
「今を春べと 咲くやこの花」
今月は「まだまだ寒い日の香ディネート」をテーマに、お香と香皿をご紹介いたします。
寒さ厳しい日々が続きますが、節分を過ぎれば暦の上ではもう春。
古くから春を告げる花として知られる、梅の花が咲く季節がやってきます。
外に出ると風が冷たいけれど、どこからともなく漂う梅花の香りは、
これから訪れる春を予感させ、私たちの心を躍らせてくれます。
今月は咲き誇る梅花をイメージした香り「源氏かおり抄 早蕨 うつろい」と、
お香を立てたフォルムが美しい「香立 風韻 唐草」の「香ディネート」です。
香りで告げる春の訪れ
![](/img/event/kohdinat2202_02.jpg)
寒さ厳しい中でいち早く可憐な花を咲かせ、春の到来を告げてくれる梅の花。
大陸から渡来した植物である梅は、野山に咲く花としてではなく、
貴族の邸宅や大寺院に植えられることが多く、さまざまな絵画や工芸品に描かれるなど、
歴史を通じて日本のひとびとに親しまれてきました。
![](/img/event/1/nokiba_tagasode.jpg)
香りで春を告げる花として、また外来文化の象徴としてお香とも関わりが深く、
お茶席でも使われる練香は「梅が香」と呼ばれます。
また、匂い袋を意味する「誰が袖」は、梅にまつわる古今和歌集の歌に由来しています。
色よりも 香こそあはれと 思ほゆれ 誰が袖触れし 宿の梅ぞも(読み人知らず)
松栄堂製品の中にも、梅と関係する名前を持つものがあります。
京線香「のきば」は、和泉式部ゆかりの「軒端の梅」から名をいただきました。
玉響シリーズには、「京の梅」と名付けた香りがあります。
香りの長編「源氏かおり抄」シリーズ
![](/img/event/kohdinat211002.jpg)
外来文化を踏まえて彩られた平安時代の王朝貴族の暮らしは、
『源氏物語』の中にも垣間見ることができます。
もちろんその中には、さまざまなシーンでお香も登場しています。
そんな『源氏物語』の各帖を主題とし、それぞれの登場人物や情景、物語のイメージを、
さまざまな香りやお香の形状、デザインなどで表現したのが「源氏かおり抄」シリーズです。
『源氏物語』が好きな方はもちろん、国語の古文の授業で少し触れただけ……という方も、
ぜひ私たちが香りで表現する『源氏物語』、その美の世界に触れてみてください。
変わらず咲き誇る梅をイメージした和の香り
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「源氏かおり抄 早蕨 うつろい」は、五十四帖の四十八「早蕨」を題材としてつくった商品です。
袖触れし 梅はかはらぬにほひにて 根ごめうつろふ 宿やことなる
匂宮に請われて都に住むことになった中君に、亡き父君に代わるようにして、
上京のための細やかな配慮を尽くす薫。
しかし内心では、匂宮に中君をゆだねることを悔やんでもいます。
春を迎えてなお行き惑う恋情を、香りに込めてお届けします。
咲き誇る梅花をイメージした和様の香りをお楽しみください。
![](/img/event/1/toziteru.jpg)
![](/img/event/1/hiraiteru.jpg)
パッケージには、山寺の阿闍梨から届く早蕨と、手紙に心励まされる中君を描きました。
阿闍梨の文を読み、かつて春の息吹をともにわかちあった亡き家族を想う中君。
文を紐解くように、玉紐で結んだパッケージを開いてください。
![](/img/event/1/dasiteru.jpg)
台紙をスライドさせることでお香を取り出すことができます。
スティックタイプのお香が20本と、簡易香立が付属しています。
唐草模様に思いをはせて
![](/img/event/1/sasiteru.jpg)
お香を立てたときのフォルムが美しい「香立 風韻」。
今回紹介する「風韻 唐草」には唐草文様をあしらっています。
生命力が強い蔓草が絡み合い、どこまでも伸びていく様子から、日本では長寿・子孫繁栄を願う図柄とされています。
古代エジプトにルーツを持つと言われており、
シルクロードを通って大陸から伝わった唐草文様。
大陸から渡来した梅の花と同様、日本に根付いた外来文化と言えるかもしれません。
![](/img/event/1/kurippu.jpg)
香立部分にお香を差し込むので、画像のようにたき残ります。
たき残ったお香は、ピックなどを使うと簡単に取り出すことができます。
お香をたき残りなく最後まで楽しみたい方は、寝かせてたく インセンストレイ takubaをご利用ください。
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![](/img/event/kohdinat2202_10_2.jpg)
スティックタイプのほか、渦巻・コーンタイプのお香も使用できます。
その日の気分やシチュエーションに応じて、お好きなお香をお楽しみください。
![](/img/event/1/fuukei.jpg)
部屋から出るのは気後れする冬の一日、やがて訪れるあたたかな日を待ちわびながら、
お部屋で香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
複雑な思いで中君を送り出す薫の恋情のように、
幾重にも折り重ねられた香りが織りなす、和の風情をお楽しみください。
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