2022年4月の香ディネート

「香ディネート(コーディネート) 」。
その時期のおすすめの香りと器をピックアップし、 さまざまな日常のシーンに合わせた「香りある豊かな暮らし」をご紹介する企画です。
暮らしの中に香りを取り入れて、毎日がより豊かになるようなご提案ができればと思います。


あたたかな春風にのって
穏やかに漂う和の香り

季節は巡っていよいよ春たけなわ。
頬をなでるやわらかな風は、さまざまな香りを運んできてくれます。
どこかで咲く花の香り、お日さまの香り、草葉の香りや土の香り。
新しい環境の中、ばたばたと忙しく日々を過ごしていると、一度しかない今年の春はあっという間に過ぎていってしまいます。
初めてのことに多く出会う日々。
幾重にも重なった春風の香りを楽しむように、ゆかしい高級線香の香りに包まれて、深呼吸してみてください。
「高級線香 春陽 祥薫」と「香炉 花千鳥」で、春風を楽しむ「香ディネート」です。


伝統の手わざで、一本一本丹精込めて
ほのかな苦味が引き立てる春の風情


「高級線香 春陽」。
春風を感じる沈香の清々しい香りにかすかな苦味を加え、雅味あふれる香りに仕上げました。


松栄堂の高級線香は、沈香や白檀をはじめとする漢薬香料をひとつひとつ吟味精選し、すべて京都本店2階の「香房」で、人の手によって丹精込めてつくられています。


初めての方はお求めになりやすい「祥薫」サイズをどうぞ。
お線香を20本、丁寧に和紙で包んだあと、環境にも配慮したこだわりのパッケージにお詰めしています。
牛乳パックを再生した素材の黒箱は、お香ケースとしてお役立てください。


春風におどる花と千鳥
可憐なうつわを育てるように



ぷっくりとした香炉には、色土を象嵌した千鳥と小花。
淡い白釉がやさしく仕上げます。
小ぶりな器はどんなインテリアにも馴染んでくれます。
ちょっと香りを楽しみたいとき、ふたを外し、灰を入れておいた香炉にお香を立ててお楽しみください。


香炉の灰は火箸などでかき混ぜ、空気を含ませてご使用ください。
また、長時間使用していると、燃えつきたお香の灰やヤニで、香炉の灰が汚れてきます。
たき残りが出るようであれば取り除き、必要に応じて天日で干すなどしっかりと乾燥させ、そのものについた匂いが気になってきたらお取り替えください。
手づくりの香炉はひとつひとつ風合いも多少異なります。
器を育てるつもりで、変わってゆく色合いやその表情をお楽しみください。


時を超え私たちを魅了するお香
1400年前に思いを馳せて


4月18日は「お香の日」です。
日本書紀によれば、西暦にして595年の4月、淡路島に香木が流れ着いたことから、日本におけるお香の歴史は始まったと言われています。
島の人々は、焚き木として火にくべたところ、その木が放つ幽玄な香りと出会ったそうです。

楽しみ方の形は変われど、1400年を超えて今も私たちを魅了するお香の香り。
歴史のはるか彼方を思いながら、香りの世界に浸ってみてください。


4月は多くの人が、新しいことに出会う月でもあります。
初めてのことばかりで、慌ただしく過ぎてゆく日々の中、一度しか来ない今年の4月に栞を挟むように、「春陽」の香りを、今の思いとともに記憶してみてはいかがでしょうか。
いつか時を経た「香炉 花千鳥」と、「春陽」の香りとともに、この春を思い出すことがあるかもしれません。